むし歯と糖の関係を解説!—酸を作る糖はどれ?
細菌は糖を代謝することで酸を作り、歯の表面を溶かします(脱灰)。そして、糖の種類や構造がむし歯リスクに大きく関係しています。ここでは、糖の構造による分類と、むし歯への影響をわかりやすくまとめました✨
糖の種類とむし歯への影響
糖の種類 |
構造と特徴 |
細菌による代謝 |
う蝕リスク |
---|---|---|---|
単糖類(例:グルコース、フルクトース) |
糖の最小単位。小さくてすぐに代謝される |
すぐ代謝 |
高い |
二糖類(例:スクロース、マルトース) |
単糖が2つ結合。細菌にとって代謝しやすい |
よく代謝 |
高い |
多糖類(例:でんぷん) |
多くの単糖が鎖状につながっている。大きすぎて代謝不可 |
唾液で分解後に代謝 |
中程度(※分解後) |
糖アルコール(例:キシリトール) |
糖類の構造に水素が加わった還元型。代謝されにくい |
ほぼ代謝不可 |
非常に低い |
人工甘味料(例:アスパルテーム) |
糖とは全く違う構造。細菌は代謝できない |
代謝不可 |
ほぼなし |
糖質と炭水化物の違いは?
・糖質=単糖類・二糖類・多糖類・糖アルコールなど
・炭水化物=糖質+食物繊維
このうち、細菌が代謝して酸を出す糖質を「発酵性糖質」と呼びます。さらに、単糖類・二糖類は「遊離糖(free sugar)」と呼ばれ、 WHOでは健康リスク(虫歯や肥満など)を防ぐため摂取量の制限を勧めています!
まとめ:糖=悪ではない!知識がリスクを下げる
糖に関する正しい知識を持つことが、むし歯予防の第一歩です!
甘味のあるすべての成分がむし歯の原因になるわけではありません。「糖の構造」によって、むし歯への影響は大きく異なります!キシリトールや人工甘味料は、むし歯になりにくい選択肢です!
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版