萌出したばかりの歯はむし歯になりやすい?その理由とは!
新しく生えてきた永久歯や、歯茎から露出したばかりの歯の根元(歯根面)は、特にむし歯になりやすい時期です。その理由は、単にバイオフィルム(プラーク、細菌の集合体)が付きやすいからだけではありません。
🦷 生えたばかりの歯が弱い理由🦷
生えたばかりの歯では、歯の主成分であるハイドロキシアパタイトの結晶が小さいため、酸に弱く脱灰しやすい状態にあります。さらに、不純物が含まれていることで、虫歯リスクが高くなっています。
しかし、時間が経つと唾液中のミネラルイオンによって、結晶が成長し、脱灰と再石灰化を繰り返しながら“萌出後成熟”をしていきます。この過程で歯の強度が増し、フッ化物を取り込みながら酸への抵抗力が高まります。そのため、20歳を過ぎる頃には、歯の表面(歯冠部エナメル質)の初期虫歯はほとんどできなくなるのです。
🦷 露出したばかりの歯根面はさらに注意!🦷
歯の根元(歯根面)が歯茎から露出したばかりのときも、虫歯になりやすい状態です。その理由は 象牙質 にあります。
象牙質はエナメル質よりも 結晶が小さく、不純物を多く含む ため、酸の影響を受けやすく、虫歯ができやすいのです。
🦷 こんな歯は特に注意!🦷
口の中で 露出したばかり の歯は、特に虫歯のリスクが高いので注意しましょう。
✔ 生えたばかりの乳歯
✔ 生えたばかりの永久歯(幼若永久歯)
✔ 歯周病治療や歯の移動によって露出したばかりの歯根面
🦷 3年間は特に注意!🦷
歯は 時間とともに成熟 し、酸への抵抗力を高めていきます。そのため、萌出・露出してから 3年間 は、虫歯にならないように特に気をつけることが重要です!
生えたばかりの歯を守るために、フッ素の活用や丁寧な歯磨き を心がけましょう。定期的な歯科検診も忘れずに😊✨
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版