🦷むし歯はどこにできる?簡単に解説!🦷
むし歯は、歯の表面の「エナメル質」から始まります。ここでは、むし歯ができる仕組みを説明します。
1. バイオフィルムの成熟
歯の表面にはバイオフィルム(プラーク、細菌の集合体)が形成されます。これは、さまざまな細菌が集まり、時間とともに成熟しながら歯を覆うものです。このバイオフィルムがむし歯の発生に大きく関わっています。
2. 口の中の環境はいつも変化しています
普段、私たちの口の中はpH7.0(中性)ですが、飲食をすると糖分が口の中に入ります。この糖分が歯の表面にあるバイオフィルムに取り込まれると、そこにいる細菌が糖を分解して酸を作り出します。その結果、口の中のpHは低くなります。
3. 歯の表面が溶ける(脱灰)
pHがエナメル質の臨界pH(5.5) を下回ると、歯の表面からカルシウムやリン酸などのミネラルが溶け出します。これを脱灰と呼びます。
4. 唾液が歯を守る(再石灰化)
しかし、唾液には酸を中和する働きがあります。pHが元に戻ると、溶け出していたカルシウムやリン酸が歯に戻り、修復されます。これを再石灰化と言います。
5. むし歯はどこにできる?
バイオフィルムがあるところでは「脱灰」と「再石灰化」が常に繰り返されていますが、脱灰の時間が長くなっているところでは歯の修復が追いつかず、むし歯になってしまいます。つまり、バイオフィルム(プラーク、細菌の集合体)があるだけではむし歯にはなりませんが、バイオフィルムなしでむし歯ができることはないのです。
🦷 ポイント🦷
✔ 食べたり飲んだりするとpHが下がる
✔ pHが低いと歯のミネラルが溶け出す(脱灰)
✔ 唾液がpHを元に戻す(再石灰化)
✔ 「脱灰」が長く続くところにむし歯ができる
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版