削る?削らない?う蝕治療の判断基準とは
近年、むし歯治療の基本は「削らない治療」にシフトしています。では、 どんな場合に「削る治療」が必要になるのでしょうか? う蝕治療の考え方をカリオロジー(う蝕学)の視点から解説します。
🦷う蝕病変が進行するとどうなる?🦷
むし歯の原因となる細菌叢が変化し、 う蝕のプロセスが進行している活動性の病変 になると、 清掃用具や唾液が届かない状態では非活動性にすることができません。このままだと病変は拡大するため、 削ってコンポジットレジンなどの修復材料を用い、清掃しやすい環境を作ることが必要 になります。
つまり、「削る治療」は、 病変の拡大を防ぐために必要になるケース なのです。
🦷削らない治療で対応できる場合とは?🦷
一方、 活動性のう蝕病変であっても、清掃用具や唾液が到達し、むし歯の原因に適切な対応ができれば非活動性へと移行できます。この場合は、削る治療を行わずに むし歯の進行をコントロールする「削らない治療」 だけで対応可能です。
🦷削る・削らないの判断基準🦷
むし歯の 初期治療の後、再評価を行い、適切な判断を下します。Nyvadのディシジョンツリーにも示されているように、 カリエスコントロールが可能かどうか が削る・削らないの判断基準になります。
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版