むし歯の歴史と治療の変遷—永久歯を守るために
人類の歴史を振り返ると、むし歯は昔はほとんど見られない病気でした。かつて、永久歯はその名の通り、一生涯にわたって使われていたのです。
しかし、時代の変化とともにむし歯の発生率は増加し、治療方法も進化していきました。
むし歯が増えたのはいつ?
約1万年前、人類が狩猟採集生活から農耕生活へ移行すると、穀物の摂取が増え、それに伴いむし歯の発生率もわずかに上昇しました。
しかし、本格的にむし歯が広がったのは産業革命(1850年代)の頃です!砂糖や精製小麦粉の普及により、世界中でむし歯の大流行が発生しました。
✅当時の治療法は「抜歯」が中心→これが「第一世代」の治療でした。
むし歯治療の進化
約100年前 、G.V. Blackが「tooth preparation(詰め物の治療)」の原則を提唱しました。これにより、「drill & fill(削って詰める)治療」が主流となり、歯を残す方法が確立されました。
✅「drill & fill(削って詰める)治療→これが「第二世代の治療」です!
そして現在、カリオロジー(むし歯学)の進歩により、むし歯の治療は大きく変化しました✨
第三世代のむし歯治療:予防と管理へ!
✅ 「drill & fill(削って詰める)」から「caries control(むし歯のコントロール)」へ!
現在では、適切な予防と管理を通じて、永久歯をむし歯から守り、生涯使い続けることが可能になりつつあります!
まとめ
現代のむし歯治療は、「むし歯の進行をコントロールする」ことが目的になりました。
💡むし歯の進行をコントロールするポイント💡
✔ フッ化物の活用
✔ 適切なブラッシングと食生活の管理
✔ 定期的な歯科検診でむし歯リスクを減らす
むし歯は「治療するもの」ではなく、「予防し、コントロールするもの」へと変化しています😊✨
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版