“むし歯的”に、ポテトチップスはアウト?セーフ?
結論から言うと…「条件次第でアウト」です。糖類が直接使われていなくても、でんぷん(特に加熱済み)+成熟プラークのコンボが揃うと、むし歯リスクが跳ね上がります。
ポテトチップスなどのでんぷん食品がむし歯を引き起こす仕組み
食品・状況 |
プラークpH |
要因 |
う蝕リスク |
---|---|---|---|
生のでんぷん(例:生米) |
臨界pH(約5.5)以上を維持 |
細菌が代謝しにくい |
低い |
加熱されたでんぷん(例:おにぎり・ポテトチップス) |
臨界pHを下回る |
アミラーゼで分解→マルトース生成 |
中程度 |
ポテチ+成熟プラーク(5日放置) |
pH4.5程度まで低下 |
細菌の酸産生が活発 |
高い |
🔬実験結果より
加熱されたでんぷんは、唾液中アミラーゼにより分解されやすく、口腔内細菌の代謝によって酸が発生 → 歯の表面が脱灰されやすくなります。
特に成熟したプラークが付着していると、酸産生量が増加し、pHが危険ゾーンに突入します。
甘くない≠虫歯フリー!
「甘くないから大丈夫」と油断しやすいスナック(例:おせんべい、ポテチ、おにぎり)は、歯に残りやすい&でんぷん分解されやすいので注意しましょう。
プラークが何日も残っていると酸がどんどん発生し、結果的をむし歯を誘発します。
むし歯対策のポイント
・歯磨きでプラークを溜めないようにしましょう。
・フッ素でエナメル質を強化しましょう。
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版