砂糖とむし歯の関係
18世紀に砂糖の精製技術が世界中に広まったことで、砂糖の消費量が急増し、むし歯の大流行が起こったと言われています。
なぜ糖がむし歯を招くのか?
1.糖がバイオフィルムに取り込まれると、バイオフィルム中の細菌が酸を出し、口腔内が酸性に傾きます。
2.酸性環境により、脱灰が進み、細菌叢のバランスが崩れ、むし歯が進行します。
細菌だけでは酸はつくれませんし、糖がなければ、酸は産生されません。生態学的プラーク説では、糖はむし歯の「きっかけ」になる因子として位置づけられています。
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糖を完全に避けることは現代では困難!
現在の食環境では、あらゆる食品に糖が含まれているため、糖をゼロにする生活は現実的ではありません。
だからこそ、重要なのは…
『甘いものを“食べ方”でコントロールすること』です。
✅ 「甘いもの=ダメ」ではありません。むし歯を防ぐには、糖との付き合い方に工夫が必要です!
ポイントは糖の“摂取頻度”
📌 ダラダラ食べより、時間を決めて食べましょう。
📌 食後に口腔内のpHが回復できるタイミングをつくりましょう。
📌 フッ化物配合の歯磨剤でむし歯の進行リスクを減らしましょう。
むし歯はそれほど頻回に起こるものではありません。正しい知識と食生活、ブラッシング習慣でむし歯を予防しましょう!
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版