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子どもは要注意!フッ化物の中毒リスクと安全な使い方
フッ化物はむし歯予防にとても有効ですが、一度に大量に摂取してしまうと中毒を引き起こし、重篤な健康被害につながることがあります。
⚠フッ化物で実際に起こった事故とは?
世界で報告されているフッ化物中毒による死亡事故は、歯磨剤の誤使用ではなく、以下のような特殊なケースです。
・誤って粉末フッ化物を小麦粉と間違えて使用 |
・水道水にフッ化物を添加する装置の故障 |
・洗口剤やフッ化物タブレットの誤飲 |
ですが、体の小さい子どもは中毒のリスクが高いため注意が必要です。
子どもの手が届かないところに保管を!
高濃度フッ化物配合歯磨剤(1,500ppm以上)や洗口剤、フッ化物タブレットやジェル製剤は必ず乳幼児の手の届かない場所に保管しましょう!
⛑万が一、フッ化物を大量摂取してしまったら?
1️⃣ すぐに牛乳を飲ませて中和!(牛乳中のカルシウムがフッ化物と結合)
2️⃣ 症状が重い場合は、迷わず救急対応へ!(胃洗浄・点滴が必要になることも)
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急性中毒量 | 致死量 |
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NaFバーニッシュ(2.26%F) |
0.9mL(小さじ1/5) |
4mL(小さじ4/5) |
0.05%NaF洗口剤 | 88mL(2/5カップ) | 420mL(2カップ) |
1000ppm歯磨剤 |
33mL |
100mL |
1500ppm歯磨剤 | 22mL | 66mL |
※体重20kgの5歳児で計算 NaF:フッ化ナトリウム
正しく使えば怖くない!フッ化物の安全性
フッ化物は正しい濃度・使用量を守れば、非常に安全で信頼性の高いむし歯予防成分です。それでも使用を控えたいというご家庭には、次のように対策しましょう!
・糖質の摂取を控える |
・毎日の歯磨きを丁寧に行う |
・定期的に歯科検診を受ける |
フッ化物=危険ではありません。正しい知識と使い方で、お子さんの歯をしっかり守っていきましょう😊
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版