むし歯予防に効果的な口腔衛生指導とは?
「歯を磨く習慣があるのに、虫歯になってしまう…」そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?虫歯予防には、正しい磨き方だけでなく、「磨きたくなる環境」を作ることが重要です! 研究結果をもとに、効果的な口腔衛生指導について解説します
研究結果から分かる「磨き方」より大切なこと!
12~13歳の児童を3つのグループに分け、フッ化物配合歯磨剤を使用した歯磨き習慣と虫歯予防の関係 を調べた研究があります。
3つのグループ
グループ1 : 詳細な口腔衛生指導+初期虫歯・歯肉炎の自己診断、虫歯の原因や砂糖などについての説明(約25分間)
グループ2 : 詳細な口腔衛生指導(歯ブラシやフッ化物配合歯磨剤を使った歯面清掃の指導)
グループ3 : 何の指導もなし
結果は?
3年後、グループ1はグループ2に比べ、虫歯(隣接面う蝕)の発生率が半分に!
グループ2とグループ3(指導なし)では、新しい虫歯の発生数にほとんど違いなし!
つまり、「歯の磨き方」を教えるだけでは、虫歯を防ぐ効果は限定的 で、患者さんが「磨きたくなる」ような働きかけをすることが重要です!
磨き方より「行動変容」が大切!
虫歯を予防するには、患者さん一人ひとりの口腔内の状況や生活習慣に合わせた指導を行い、「歯を大切にしたい!」と思える環境を作ること が重要です。
生活習慣と歯の健康をつなげる → 食生活や砂糖の影響を伝えることで行動変容につなげる!
自分に合ったケア方法を習得する → ただ磨くのではなく、正しい知識を身につける!
「なんとなく磨く」ではなく、「歯を守るために磨く」習慣を! 毎日の歯磨きを、もっと意味のあるものにして、健康な歯を守りましょう
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版