「削らない治療」が基本!現代のう蝕治療の流れ
むし歯治療と聞くと「削って詰める」イメージが強いですが、最近の治療の考え方は変わってきています。 う蝕の進行をコントロールする「削らない治療」 が治療の基盤になっているのです。
では、実際の治療の流れを見てみましょう。
1. 初期診査:まずは原因を把握する
う蝕治療は、歯周病治療と似た流れで進みます。最初に 口腔内の検査や問診 を行い、むし歯の原因やリスクを診断します。う蝕の進行具合や発症時期によって、その原因は異なります。
この診断に基づき、どんな治療が必要かを決めていきます。
2. 削らない治療でう蝕の進行を抑える
う蝕の進行を止めるために、まずは 削らない治療 を行います。具体的には、患者さんに むし歯の原因を説明 し、予防に必要な知識を提供しながら、生活習慣を改善するためのサポートを行います。
この段階をしっかり踏むことで、 削るべきかどうかの適切な判断 ができるようになります。
3. 必要なら「削る治療」を実施
初期治療を経た後、 再診査や再評価 を行い、必要があれば修正療法(削る治療)を行います。ただし、むし歯治療は削って終わりではありません。
4. 生涯続くカリエスコントロール
治療後は、 再発を防ぐためのメインテナンス が欠かせません。むし歯を防ぐための「カリエスコントロール」は、 歯がある限り一生続けるべきもの なのです。
このように、現在のう蝕治療では「いかにう蝕の進行を抑えられるか」が重要視されています。削る前に、まずはコントロールすること。それが 現代のむし歯治療の新常識 なのです。
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版