「う蝕」と「う窩」ってどう違うの?
「むし歯治療」と聞くと、多くの人が「削って詰める」ことを思い浮かべるかもしれません。
しかし、現代のむし歯治療では、できるだけ歯を削らず、むし歯の進行をコントロールすることが重要とされています。
ここでは、現在のむし歯の病因論に基づいた治療について解説する前に、まず「う蝕」と「う窩」の違いを整理してみましょう!
う蝕は動的なプロセス
私たちの歯は、食事のたびにpHの変動にさらされています。
そして、
💡「臨界pH」を下回ると…歯からミネラルが溶け出し(脱灰)
💡pHが元に戻るとミネラルが再び歯に戻ります(再石灰化)
この脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、脱灰の時間が長くなりすぎると「う蝕」が進行します。
つまり、う蝕は脱灰と再石灰化の間を絶えず行き来する「動的なプロセス」なので、「う蝕の進行を止めること」がむし歯治療の本質なのです!
う窩とは?
一方で、
「う窩」は、う蝕が進行し、歯質の構造が崩れ、欠損状態になった部分をいいます。
💡つまり、「う窩」はう蝕の結果として生じるものです。
削るだけでは、むし歯は治らない!
う蝕がある歯を削って詰めても、むし歯の原因そのものにはアプローチできません。そのままでは、またむし歯が再発する可能性が高いのです!
そのため、現代のむし歯治療では「削る前にう蝕の進行をコントロールすること」が重要視されるようになりました。
💡これこそが、最新のむし歯治療の基盤となる考え方です✨
まとめ:むし歯治療の新たな視点!
✔むし歯は「進行を止めること」が重要!
✔削るよりも、フッ化物や適切なブラッシングで管理!
✔「治す」より「予防・コントロール」が今後の主流に!
むし歯を防ぐために、日々の口腔ケアを見直し、歯の健康を守りましょう😊✨
【参考書籍】
伊藤直人 著「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」医歯薬出版